あなたには責任があります!
 リビングはほぼ真っ暗だった。でも膝くらいの高さに開いたままのノートパソコンがあるようで、モニターの光のまぶしさに一瞬、美花梨の目がくらむ。
 細目にすると、室内にある物たちの輪郭がうっすらわかった。モニターの光がいびつに分断されているのは、その真ん前に人がいるからだ。膝立ちして、こちらに背を向けている。背格好からして、タカフミだ。小刻みに身体が揺れている。
 あれ? もしかして。
 影の濃淡に目を凝らして、美花梨の頬がじわじわと熱くなっていく。
 シャツの裾のラインから見えているのは、デニムのポケットではなく、下着の柄でもなく、おそらくあれは、素肌。
 履いてないの? いや待って、膝のところに溜まってる。途中まで脱いで、る。
「ああっん」
 女の甲高い声に、美花梨の肩が跳ね上がった。
 もうケンカだのほかの女の訪問だの、さすがにちがうとわかる。
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