あなたには責任があります!
 ゆうべは、呑みすぎた。
 大学の弱小文系サークルの合宿ごとき、体力を使うことなんかしていない。なのに、解散するのが名残惜しくて居酒屋で盛り上がっていたら、ジュースみたいなサワーがやたら回ってしまった。
 正月の余韻も冷めきった繁華街を歩きだしたとたん、血流に乗って酔いが加速する。
「え、美花梨ちゃん先輩、寝ないで。こんなとこで寝たら風邪ひきますよ」
「ムリー」
「終電やばいです。がんばって」
「タカフミん家、近いんでしょー。泊めてー」
 タカフミは少しムッとした表情で視線をそらす。
「気軽に男の家に泊めてとか言わないでください」
「あはは、天使に性別はないでしょーよ? それともわたし、天国出禁んん?」
「もうこの酔っぱらいはー」
 その場に崩れそうな美花梨を抱えるタカフミのまえに、少し前を歩いていた同期生の栞が戻ってきた。
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