あなたには責任があります!
「タカもカラオケ行こ」
「あ、ううん、ぼく、美花梨ちゃん先輩を車で送って、そのまま帰る」
「えー、美花梨ちゃん先輩、歩けないなら、連れて行こうよ。カラオケで寝てればいいよ」
「でもつらそうだし。このなかで素面なの、ぼくとタッくん先輩だけだから」
「らーいじょうぶ、わたし、帰れる」
 美花梨は空気を読んで前言を撤回してみたものの、すぐさまタカフミに「呂律まわってないくせに!」と叱られた。
「じゃあ美花梨ちゃん先輩を送ったあとで、こっち来なよ」
「こら、タカフミは往復のほとんど運転してくれたんだから、疲れてるんだよ。ムリ言わない」
 美花梨と同じ3年生の唯子がたしなめた。けれど栞は、眉をぐっとあげて食い下がる。
「でも唯子ちゃん先輩、タカはみんなの天使なんだから、ひとりじめはズルいです。それに一応、男と女ですよ」
「まさか、美花梨がタカフミを堕天させるかもしれないって思ってる?」
「逆だ唯子。タカフミが天国に連れてってくれるんだよ」
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