あなたには責任があります!
 4年生の傑がタカフミの肩をつかむ。
「はるか昔から、人間を天に召してやるのが天使だからな。美花梨、悟りを目指すのやめてそっちに行け。な、成仏させてやれタカフミ」
 豪快に笑う赤ら顔が近づいてくる。
「傑くん先輩、お酒くさい」
「お、叱られたー。天罰が来るぞー」
 傑はへらへらと手を振って二次会組を集めると、先導して人ごみに突っこんでいった。
「天使くん、悪いけど、美花梨頼むね」
 唯子がタカフミに十字を切って祈りをささげる。顔色には出ていないものの、こっちもだいぶ酒が回っている。
「唯子ちゃん先輩も気をつけて」
「賛美歌、歌い倒してやる」
 栞はぷりぷりしながら、それでもさっさと傑たちを追いかけていった。
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