悪いコの味方!


当の本人は首をかしげてる。もしかして伝わってない?なぜ。



「みゆたんって誰…ああ、中山さんか」


「そうそう。今日泣きながらわたしの家に来たんだからね」


「だから2人とも遅刻だったんだ。慰めオツカレサマ」



そう言って頭を撫でてくる。ナチュラルな行動にびっくりしちゃう。撫でる意味今ありました?カノジョの話してるのによくもまあ他の子のこと触れるわ。


わかってるのかなあ、ちゃんと。きみのしょうもない行動で傷ついてる子はみゆたんだけじゃなくたくさんいるんだってこと。わかってないんだろうなあ。


なんで1人の子を大切にしないんだろう。女の子たちをおもちゃで遊ぶ猫ちゃんみたいに触って、いやサルか。そういうの、本当に楽しいのかな。



「とにかく。遊ぶだけならまだしもカノジョにした女の子ならその子といる時間くらいせめて大事にしてあげてよ、贅沢者」


「…うっせえ、ノゾキ魔」


「ノゾキ魔!?人を犯罪者みたく言わないでよっ」


「身代わりになれもしないのに何回邪魔すりゃ気がすむんだよ」



わたしに見られたくなかったら如何わしいコトを校内でしなきゃいいんじゃないの。…とは言えない。いつか全貌を見てみたいから、そのチャンスを自ら潰すわけにはいかないのです。


それにしても真篠くんと話していると、価値観が全くちがうから未知なる世界がいっぱい飛び込んでくる気がする。身代わりって。なれないけど、疲れるけど、…興味はある。


ポケットの中で携帯が震えた。見ると「屋上にいるー」とマキマキからのメッセージ。


おなかすいたなあ。買ってきたカツサンドは冷めちゃったかもしれない。


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