悪いコの味方!


きみ、何回女の子に叩かれるの?



「真篠くん!」



たまらなくなって思わず保健室のドアを開けた。


きみが悪いなら当然の仕打ちだけど…わたしのこと、守ったからだなんて、そんなので叩かれるのは嫌。



「は?なんでいんだよ」


「先生の手伝いしてたの…そうしたら…」

「また覗きかよ。本当趣味悪いな」



でもその悪い趣味のおかげで、わたしが知らなかったことを知れたよ。知れて良かったことだよ。



「うざ。もう遊んであげないから。木暮さんも、こいつの何なのか知らないけど大切になんてしてもらえないんだからねっ」



先輩は脱いだワイシャツを羽織りながら出て行ってしまった。


沈黙が流れる。


また、邪魔すんなって思ってるかな。

ちらりと彼を見ると、着物がはだけて鎖骨やらなにやら色々が出ていた。



「ひゃあっ」

「なんつー声だよ」



思わず顔を覆う。



「は、は、はだけてるよ真篠くん…!」



びっくりした。びっくりした…。日焼け知らずの綺麗な肌が羨ましい。ばっちり見てしまった。



「ああ…直してよ」

「へ?」

「着つけて」



な、なんてことを頼むの。だいたい、ふつう下に何か着るでしょう。学校行事で着てたんだよ?おかしい。



「そんなこともできないの?」



挑発的な口調。



「で、できるよそれくらいは!」



そう言うと彼はベッドから降りて近づいてきた。

見るとけっこうぐちゃぐちゃになってしまってる。直してあげなきゃ。

< 128 / 351 >

この作品をシェア

pagetop