悪いコの味方!


でも、しなかった。


わたしが拒否したって、理想があったって、しようと思えばできるスキルは持ってるはず。



…ずるいよ。気に入らないなら、きらいなら、きらいにさせてくれたらいいじゃん。中途半端で嫌。だったらあんなことしないでほしかった。



「それは…あんたが気にしないように関係ないって言ったんでしょ」

「わかってるけど…わたしは、真篠くんに守ってもらわなくたっていいの」

「でもさやは彩夜架にそうしたかったんだと思うよ」


「…嫌なの。…守ってもらうとか、気にかけてもらうとか、そういうので成り立つ関係。真篠くんとは特に嫌」



秘密で守るなんて、かっこいいことしないで。



「なんで…」

「…他の女の子たちみたくか弱く思われたくない。わたしは自分でなんとかできる」


真篠くんの周りにいるたくさんの女の子。そのくくりに一緒に入れないでほしい。そんなんじゃない。


「守ってもらわなくたって、笑ってもらえなくたって、優しくなくたって、きらいになったり離れたりしないもの…」



味方だよって言ったのに、信じてもらえてないみたい。

しかも関係ないなんて、大ありでしょ。



「あーあ。ましのんってホントに不器用だしトラウマありすぎ。めんどくさい。ゆるちゃんもよく幼なじみできるよね。見放したくならないの?」



ずっと付き合ってるはずのちふちゃんがおおざっぱに言う。



「だって放っておいたら淋しくて死んじゃうと思うし。それはちふちゃんだってそうじゃない。本当はもう、さやに恋してないじゃない」


「ええっ」



どういうこと?ちふちゃんも真篠くんみたく誰でもいいって思ってるの?違うよね?


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