悪いコの味方!
「何愕いてるの。彩夜架にキスしようとした話とか、みゆちゃんのこととか、他の子のこととか、ふつうこんなに平然と聞かないでしょ」
「はっ!ごめんちふちゃん気を遣えなくてごめんなさい!」
最低はわたしもじゃないか。自分のことでいっぱいいっぱいになってる。今までも今もちふちゃんのこと、傷つけちゃってたのかな。
「待って待って謝らなくていいから。…でもゆるちゃんの見解もちょっと違うよ。あたしは、たぶん一生あいつのことが好きよ」
ポテト、たくさん食べてる。
今日はダイエットも健康意識もお休みの日にするんだって言ってたけど、本当はわたしに付き合ってくれているってわかるよ。
「あたし母親いないの。父親は毎回違う人家に連れ込んで、家庭環境最悪で」
そんなの知らなかった。
「今はどうとも思ってないけど、中学生の頃はそれがすごくコンプレックスだった。学校に行っても父親のことでからかわれて行きづらくなって…そういう時にあいつが励ましてくれた。優しくしてくれた唯一の人なの」
真篠くん。きみはすごいね。
悩んでいる人に気づいて、言葉をかけたり、隣にいたり、そういうことをして、誰かの記憶に残るの。一生好きだって大事にされるの。
ちゃらんぽらんだけど、本当はそうじゃないんだ。
「そんな人、好きじゃなくなるわけないよ。でも…たしかにもう恋ではないのかもしれないね」