悪いコの味方!
フィクションなんかじゃない。もっとずっと胸にせまってくるお話。
「今はとにかく仕事をしたい。…でも、あいつの手放し方、わからないんだよね」
ちふちゃんがいろんなことに悩んで、考えて、進んできたことがよくわかる。
どんなふうに真篠くんに恋をしていたか、わかる。
「ちふちゃん…」
「ゆるちゃんがうらやましいな。これから先もずっとあいつの傍にいられるもの。幼なじみで、姉弟みたいで。あたしも違うふうに出会ってたら離れるとか離れないとか、そういう選択を考えなくてよかったのかな」
経験を積んでるからじゃない。
じっくり目の前のことに向き合ってきたから出る、大人な言葉。
「恋とか友達とかじゃ…あいつが恋を認めた時、離れないといけない。あたしだって、新しい恋をするかもしれない。仕事を本格的にしたら恋なんてどうでもよくなるかも…でも離れたくない。こわい」
なぜか、涙がでそうだった。
「ちふちゃんがそう思ってるのと同じようにさやもきっと思ってるよ。ちふちゃんだけが、さやの傍から離れなかったから」
なんだかわたしの悩みなんて、ちっぽけだ。
真篠くんが見せびらかしてくるとか言って、本当はわたしが気にして見に行っちゃうだけ。邪魔してるだけ。そう、どうしてか、気にせずにいられない。
キスだってされそうになったけどされていない。
振り回されてるって思って彼のせいにしてるけど、それって本当?