悪いコの味方!
どうして。
ちふちゃんの傍に行って、真篠くんに極端すぎると言いたい。
どうして、できないの。
なんで、彼が恋をしようとしていることがこんなに切なくなるの。
思えば、みゆたんのこともマキマキのこともゆいぼんのことも美亜子ちゃんのことも、ちゃんと庇ってない。なぐさめてない。仕方ないじゃんって心のなかでは思っていた。
真篠くんは本気になれないんだから。
恋できないんだから。
傷ついても仕方ないって。
最低。
彼の終わりを見るたび、どこか安心していた。
オトナキラリシーンは本当に邪魔をしていた。
わたしと同じ彼。
それが、うれしかった。安心していた。
「藤田、ごめん。今までごめんな」
「嫌……」
「変わりたいってそいつの言葉で思ったんだ」
「あたし、その子が誰かわかるよ。…あたしがその子を許すと思うの?きらいになっていじめてもいいんだよ?できるよ。あたし、そういうのできるよ」
「そうなったら……おれが止める。ちゃんと守るよ」
決意したような真剣な目。
それをちふちゃんは嘲笑うみたいな顔をした。
「ましのんが?無理でしょ。誰のことも傷つけてきたくせに」
「…もうそうしたくないから、」
「それにあの子は守られたくないって言うよ」
これ以上何か言わせたらだめだ。止めなきゃ。止めてあげなきゃ。
「そうだな。でも、おれがしたいようにする。したいって思うことがたくさんあるんだ」
「…勝手な人。あたしだけがすがってたんだね」
「違っ…」
「ちがわないよ!ひどいよ!こんなふうになるなら優しくなんて最初からしないでよ!好きな人とか守りたい人とか勝手に作らないでよ!似合わない!」
そんなふうに、言わないで────