悪いコの味方!




真篠くんが誰とも遊ばなくなって少し経つ。

ちふちゃんとはあれから一度も顔を合わせていない。みゆたんやマキマキと話すこともなんだかむずかしくて、それを悟られないように必死だった。

はおりんから、もう4人ではいられないのか相談されても上手く言葉を返せない。


当の本人とはたまに話すけど、他愛のない世間話。

それがなんだか物足りないんだけど…真篠くんのオトナキラリシーンがないと何も会話が見つからない。ううん。話したいことはたくさんあるのに、できない。


そんな時、牡丹くんからタピオカに誘われた。今回は電車で都心に出ないと店舗がないウォークインできるタピオカカフェ。



「初めて来た…!」

「よかった。俺も初めて」


ふたりで何にするか考えて、悩んだ末にソイラテとミルクカフェオレにした。

それから牡丹くんはモンブラン、わたしはミルフィーユを注文。席まで運んで向かい合う。


「来てみたかったの?」

「うん。付いてきてくれてありがとう」


その言葉に首を振る。


「ソイラテおいしいよ」

「ミルクもなかなか。飲んでみる?」

「いいの!?じゃあこっちもどうぞ!」


交換したドリンクは、ミルクのほうが濃くて甘くて、真篠くんが好きそうな味だった。


「あ、てっぺんの栗なくなってる」

「いつの間にか食べてた」

「ふふっ。真篠くんなら最後にとっておくだろうねえ」


最初派だから信じられないけど、人それぞれだよね。

いろんな人がいる。

< 159 / 351 >

この作品をシェア

pagetop