悪いコの味方!
・
真篠くんが誰とも遊ばなくなって少し経つ。
ちふちゃんとはあれから一度も顔を合わせていない。みゆたんやマキマキと話すこともなんだかむずかしくて、それを悟られないように必死だった。
はおりんから、もう4人ではいられないのか相談されても上手く言葉を返せない。
当の本人とはたまに話すけど、他愛のない世間話。
それがなんだか物足りないんだけど…真篠くんのオトナキラリシーンがないと何も会話が見つからない。ううん。話したいことはたくさんあるのに、できない。
そんな時、牡丹くんからタピオカに誘われた。今回は電車で都心に出ないと店舗がないウォークインできるタピオカカフェ。
「初めて来た…!」
「よかった。俺も初めて」
ふたりで何にするか考えて、悩んだ末にソイラテとミルクカフェオレにした。
それから牡丹くんはモンブラン、わたしはミルフィーユを注文。席まで運んで向かい合う。
「来てみたかったの?」
「うん。付いてきてくれてありがとう」
その言葉に首を振る。
「ソイラテおいしいよ」
「ミルクもなかなか。飲んでみる?」
「いいの!?じゃあこっちもどうぞ!」
交換したドリンクは、ミルクのほうが濃くて甘くて、真篠くんが好きそうな味だった。
「あ、てっぺんの栗なくなってる」
「いつの間にか食べてた」
「ふふっ。真篠くんなら最後にとっておくだろうねえ」
最初派だから信じられないけど、人それぞれだよね。
いろんな人がいる。