悪いコの味方!
他人にも自分にも厳しくて、物事をはっきりさせるちふちゃん。読者モデルをがんばっていて綺麗で、わかりにくいけど優しくしてくれる。
大好きな友達だった。友達になろうなんて言葉はなかったけど気づけば一緒にいた。
「彩夜架、行こ」
「うん……」
もう話せないのかな。
わたしのせい。
こうやって、みんな恋を選んでいたんだね。
「彩夜架ちゃん」
呼びかけてきた声は、さっきと違って優しかった。
振り向くと仁王立ちしたちふちゃんがいる。
「あたしはあんたたちみたいに鈍感じゃないし気づかないフリもしないから…彩夜架ちゃんの気持ちには気づいてたよ。今までましのんの周辺探って見張るのが趣味だったし」
声が震えている。
「ましのんに対して妙に優しく構ってる子がいるなって思ってた。あいつも見つかりたがってるみたいに保健室ばっかり使うようになったし……。彩夜架ちゃん、よくあたしが載った号の雑誌買って教室で読んでくれてたけど、絶対ましのんと一緒に映った時のやつだった」
そんなこと気づいていたの?
「じゃあどうして…仲良くしてくれてたの?」
わたし、ひどいよね。
みゆたんやマキマキにもきっと嫌われる。
大事にしたかったものなのに、ぜんぜんできていなかった。
「そんなの決まってるじゃん。仲良くなりたかったから。彩夜架ちゃんといれば、ましのんやゆるちゃんみたいに、変われる気がしたから…っ」
ちふちゃんの頰に涙が伝う。