悪いコの味方!
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土曜日も日曜日もなくなったらいいのに。
友達との予定もない休みの日って今まで何をしていたっけ。バイトをしながらそんなことを考えるなんてちょっと不純だ。
早く学校に行きたい。
会ったらどんな話をしよう。
夜までのバイトを終えて、家に帰ったらお母さんが作ったごはんを家族で食べる。お風呂に入って髪を乾かしてもう眠れる準備をしいると今期で一番ハマっている恋愛ドラマが始まった。
くつろぎタイム。パックを顔に貼りながらテレビにかじりついていると、ちょうど予告でも楽しみにしていたキスシーンに差しかかる。
きゃーきゃー。どきどき。手や足がばたばたしちゃう。だってやっと両想いだ。
待ちわびていた瞬間の手前で携帯が鳴った。
「えっ……誰!!?」
いいところなのに!
そう思いつつ渋々画面をちら見すると、真篠清香という文字と猫ちゃんのアイコンが表示されていた。
な。
びっくりしてソファから転げ落ちる。一緒に見ていたお母さんと4つ下の弟の透架が一斉にこっちを見た。
「ちょ、ちょ、ちょっと電話に出てくる…っ」
「え。ねえちゃんがこんなシーンより優先するとかやば。誰から?」
「な、ないしょ!」
まだ内緒。
リビングを出て急いで自分の部屋に入る。
一度深呼吸。…や、足りない。だってなんだか緊張しちゃって。
真篠くんから、電話が来るなんて。休みの日なのに。明日学校に行けば会えるのに。
深呼吸を何回もしていると切れてしまった。
「ああっ」
失敗。すぐさまかけ直すと彼はすぐに出てくれた。
第一声が笑い声。
「かけ直し、はや」
そんなにおもしろい?笑ってくれるならいいけど。