悪いコの味方!


“ 何かあったらちゃんと言えよ”


真篠くんはちょっと心配そうな、伺うような声でそう言ってくれたけど、大丈夫だと思っていた。

話せば解ってもらえる。ちふちゃんだってそうだったから。みんなが優しいこと、たくさん知っている。いろんな話をしたし、いろんな場所に一緒に行った。大好きだって言ってくれていた。わたしも大好き。

大好きだからちゃんと話したい。


そんな思いだったけど………わたしはやっぱり、甘えていたみたい。



屋上の風は、冷たかった。


「ましのんがマキマキと別れたのも、だからだったんだね」


みゆたんがつぶやく。


真篠くんと両想いになったこと。気づかなかったけど本当はきっと前から惹かれていたこと。味方になりたいとか、そういう今までのことを全部話した。

3人とも、表情が暗くて。

声は、怒っているときのもの。


「今まであたしのこともマキマキのことも応援してたんだよね?あたしが泣きついた時はましのんに文句を言ってくれて……そうやってあたしたちを優先して大事にしてくれる彩夜架のこと、大好きだった」

「わたしも……」

「でもましのんを選ぶんだよね?」



そういうことになる。

何を簡単に、みんななら解ってくれるって思ってたんだろう。


「……わたしはみんなとこれからも仲良くしたい…解ってもらいたい。みんなのことも、真篠くんのことも大切で……」

「ただの裏切り、だよ」


マキマキの声は低かった。


「裏切り……」

「気づいてなかったって言うけどそんなの知らない。…彩夜架の初恋なら応援したいのに、相手がましのんなら、それができない。…私たちの応援ができてたくらいの気持ちなんじゃないの?それなら譲ってほしいって思っちゃう」


投げかけられる言葉が重たい。


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