悪いコの味方!
「真篠くんのこと譲ったりはできない……。わたしが傍にいたいって、特別になりたいって思ったの」
「……彩夜架、ずるいよ。ましのんのことひとりじめするなんて」
4人でいることが好きだった。
マキマキが真篠くんと付き合いはじめた時、みゆたんにバレたら…って恐れた。バレた時はこうなるから嫌だったんだと、心のどこかで思っていた。
今度はわたしがそれをしている。
「他の女の子だったら…わたしもそう思ってた」
ふたりを応援できたのは、他にも彼のまわりに女の子たちがいたから。
一途な真篠くんなんて絶対に応援できなかった。
「それなら気持ち、解ってくれるよね」
「……」
「受け入れるなんてできない。…何事もなかったみたいに仲良くなんて、できるわけない」
それでも、わたしなら、みゆたんとマキマキとこのまま仲良しなままでいられるんじゃないかって…おごっていたんだ。
バラバラになっていく。
大切にしていた関係。大好きな友達。
友達が友達じゃなくなることってあるんだね。
わたしのせいなのに、実感がない。離れていくふたつの背中がただ悲しい。
「はおりん…こんなふうになってごめん。わたしね、仲良くしてもらってたし、好かれてるって思ってたから、わたしたちなら大丈夫って思っちゃってた。勝手だよね」
みゆたんがマキマキに怒ってたのも見てたのに。
「だけど…真篠くんのことあきらめたくなくて」
嫌な選択だった。
「あのふたりは彩夜架のことが好きだからゆるせないんでしょ」
「…うん」
「……でも意外だった」
はおりんの女の子みたいないつもの声じゃなかった。