悪いコの味方!



牡丹くんにタピオカロイヤルミルクティーを買った。コンビニのでごめんね。

わたしの学校近くの公園まで来てくれた。


歩み寄ると爽やかな微笑みで迎えてくれる。



「彩夜架、この前は突然ごめんね。みんなの前であんなふうに伝えちゃって」


その言葉に強く首を振る。いいの。


「真篠くんと両想いになれたよ」

「うん。ローストビーフ丼食べに行った時からそうなるだろうって思ってた」

「えっ」


そんな前からわたしって真篠くんのことが好きだったの?びっくりだよ。けんかしてばかりしていたのに。



「じゃあなんでわたしのこと…」


ちらりと見上げる。


好きだなんて初めて言われた。だから検討もつかない。



「だって可愛いから」

「へ…」

「さやのことが好きなのに、さやはモテるし友達のカレシだから自分の気持ちにフタして。なのにさやが何しても気になってて。そういうの、いじらしくて。俺も気持ちわかるから…ほっとけなくなっちゃって」


それのどこが可愛いの?変なの。

まどろっこしいだけだよ。何も見えてないし、何からも逃げていただけ。あきらめていた。


「…牡丹くんのこと、仲良くなれたらいいなって思ってたよ」

「それは、あのさやと友達だからだよね。彩夜架は俺といても誰といても、絶対何度もその場にいないさやのことを考えてた。さやならもっと甘い飲み物を選びそうだよねーとか」

「うわ…ごめんなさい……」


ちょっと失礼すぎて恥ずかしい。

これは真篠くんのせいだ。


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