悪いコの味方!


頭を抱える。真篠くんの話をしちゃってたなんてぜんぜん覚えてない。



「俺もだったよ。さやとゆると仲良くしてる彩夜架は絶対良い子だって。話したら本当に良い子で、いつも楽しそうに笑ってるから楽しかった。数回しか会ってないけど、こんな子になりたいなって思うくらい」



うれしいことを言われている。

わたし、この人に告白されたんだ。


「牡丹くん、ありがとうね。好きだって初めて言われたの。すごく…すごくうれしかった。好きになってくれてありがとう。…応えられなくてごめんなさい」


下げた頭を撫でられた。見上げると、今まで見た中で一番笑ってくれていた。


「さやのことよろしくね。淋しがりなくせに隠したがりだからさ」


困ったような笑み。

わたしにじゃなく、きっと真篠くんに向けられている。


頷くと別れの言葉を言われた。



そっと手を振る。

あ、あげたタピオカの容器にストローさしてる。あ、飲んでくれた。…優しいなあ。良い人なのは牡丹くんのほうだよ。


わたしは傷つけるだけ。



また泣きそうになっている。


恋ってむずかしいんだね。知らなかった。


ひとりじゃ、できないことなんだね。



後ろから肩を叩かれた。振り向くと真篠くんがいるからびっくりしちゃった。


「どうして此処に…」

「牡丹から連絡きたから」

「…どこまでも優しいね。きみの友達」

「まあね」


いいね。きみの近くに今までああいう人がいてくれてよかったってとても思うよ。


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