悪いコの味方!
着てみてびっくり。色合いや形。ぜんぶ見透かしたように似合っている。セットアップみたい。
「見て真篠くん!かわいい!迷う!いやきみが選んでくれたからどっちも買う!奮発する!」
「プレゼントする?」
「へ…!?や、わたしの誕生日は梅雨なのでプレゼントは大丈夫」
ひーふーみー……7千円。マツエクを今月サボればまあ良しとしよう。ちょうどやめようか迷っていたし。
プレゼントする?だって。彼氏って本当にすごいや。
「これ着て今度出かけたいなあ」
考えただけで顔がにやけちゃうよ。
「あ!このシャツ真篠くん似合いそう!」
「そう?」
「こっちのトレンチコートも似合いそう…でも待ってこれ当ててもいい!?」
真篠くんはアースカラーがすごく良いのです。ベージュのニットをかざすと彼のために作られた洋服みたいに見えてくる。
「プレゼントする…!」
「いやおれの誕生日は春だから」
春…春服か。それはまた楽しみだなあ。
「おなかすいた?」
そうだった。メインはそれだ。
「うん!」
「じゃあ行くか。お母さんに連絡した?」
「してない!しなきゃ!」
しっかりしている。経験の差?素直に今のはありがたいね。食べて帰ると連絡を入れた。
真篠くんが連れてきてくれたのは巷で話題のユッケ寿司のお店だった。
「行きたいって思ってた…!」
「いっぱい食べよ」
いっぱいどころじゃないよ。きみが引くほど食べちゃいそうだ。
メニューが様々あるなかからおすすめにしてみた。
ユッケ大好きなんだ。焼肉に行ったら絶対頼んじゃう。きみってわたしのことなんでも知ってるのか?