悪いコの味方!


向かい合って座るの、ちょっと緊張する。綺麗に食べられるかなあ。


「真篠くんは将来コーディネーターさんになりたいの?」

「コーディネーターって思ってるけどなんでわかったの?」

「似合うなあって思って。さっきの、新しいのをただ買うわけじゃなくて持ってる服に合わせてくれたのがありがたかったから」

「…おまえってもしかしておれのことなんでも知ってるんじゃない?」



また同じこと思ってる。気づかなかったけどもしかして似たもの同士なのかな。ぜんぜん似てないと思うけどなあ。



「そっちは美容系?」

「や、ううん。雑誌に携わりたいの。編集とか、特集組む人とか」

「え、そういうの好きなの?」

「興味あるの。一冊でいろんな情報が載ってるってすごいからわたしも作ってみたい」



将来のことを考えるのはけっこう好き。

小中高って決められたことを勉強するけど卒業したら好きなことを学べるって思うと楽しみになっちゃう。



「モデルは続けないの?」



コーディネーターさんってモデルをしながらでもできないのかなあ。

中途半端って思うのかな。わたしは思わないよ。



「藤田みたいに本気なやつ見て、自分は違うなって思った」

「なるほど。ちふちゃん、かっこいいもんね」



プロの目って感じ。ただ写真に撮られるだけじゃなくって、その写真を通して読者が見本にできるように工夫してるの、伝わる。雑誌に映ってるちふちゃん。



「でもわたしが雑誌買うようになって、携わりたいなって思ったのは同じ学校にモデルがふたりもいたからだよ。真篠くんとちふちゃんが載ってると思わず買いたくなって買っちゃって、中身を開けたらわたしが好きな情報がたっくさん載ってるの」


< 189 / 351 >

この作品をシェア

pagetop