悪いコの味方!


雑誌って高いってずっと思っていたけど、あれだけたくさん載ってたらそれは高くていいよって思っちゃった。今まで買ってなかったことを後悔した。


「出会えてよかったなあ」


きみたちがきっかけ。

憧れて、こういう服を着てこういうメイクをしたいって思うの。

そういうのを発信していくってかっこいいよね。


「おいしい、ユッケ寿司。感動」


思わず写真にもおさめちゃった。


「いただきます。…本当だ」

「楽しいねえ」


いいなあ。こういう時間。いっぱい話すの。今まであまりなかった気がする。


「うん。楽しいな」



きみの言葉に今日は笑いっぱなし。まじめな顔しようとしてもにやけちゃう。



「そういえば梅雨って言ってたな。誕生日。いつ?」



なんか、ちょっと誕生日に何かしてほしい人みたくなっちゃったかな。まあいっか。



「6月の14日だよ。ちょうど明けくらい」

「それが名前の由来?」


……驚いた。真篠くん、名前って避けてるように思ってたから。


「ううん。あ、虹をイメージしたのはそこからみたいで。名前は、夜と朝みたいに人と繋がってほしい…みたいな、雰囲気重視だったみたい。たいした由来じゃないの」

「ふうん」

「真篠くんは、春生まれ?」

「うん。5月6日」


意外と近い日付だったね。


「清らかな香りが、しそうな日だね」

「ただのゴールデンウィークだよ」


きみが家族から授かったもの。

呼ばれることを、たぶん誰にもゆるさない。


まして同じ名前のわたしは、きっと呼ばれないんだろう。名前なんてもうべつにいいけどさ。


おまえって呼ぶのもわたしにだけなこと知ってるから。


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