悪いコの味方!


恋って複雑。

いろんな気持ちがあって、交差して、絡まって…。


解くには、誰かが犠牲になったり、あきらめたりしなくちゃならないのかもしれない。


「ま、ゆるちゃんがそう言ってるんだし気にしない気にしない」

「それが正解なら……」

「正解だよ、彩夜架。大丈夫なの」


きっとわたしが断ったあと、牡丹くんを慰めたのはゆるるだ。

真篠くんがわたしと牡丹くんが会うのを良く思っていなかったのは、こうだったからだ。



気づこうと思えばいつだって気づけた。

ゆるるにもっと早くから聞けばよかった。


「さやってどこでごはん食べてるんだろうね」

「知らないけどとりあえずぼっちでしょ。だから誘ったのになー」

「…うれしかったと思うよ」

「ならいいけど」


ちふちゃん、堂々と誘ってきてくれた。

ゆるるは一緒にいてくれる。

真篠くんにだってそう。


こんなわたしがみんなにできること…何かないかな。


考えても大したものが見つからなくて無力さを知る。



12月に入ると朝はよく冷えるようになった。


手を繋ぐ準備ってなんだろう、と考え抜いた結果、夜ハンドクリームを塗りたくって手袋をして眠ること。

なのに寝ているうちに脱がしちゃうみたいでベッドに下に転がっている。


さらさらなほうがいいよね。あ、でももちっとしていたほうがいいのかな。つるつる派?どれがいいのか聞いてからハンドクリームを選べばよかった…。

よく手を洗って、お化粧と髪をセット。

それから、いつもしないことを今日はチャレンジしてみようと思って早く起きたんだ。


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