悪いコの味方!


裏庭に呼び出したことをちふちゃんがわざとらしく「さむーいむりー」なんて言うから用意していたブランケットをぐるぐる巻いてあげた。

ちょっとイモムシみたい。かわいい。


「これ!みんなにいつものお礼…大したものじゃないけど!」


ランチバックから取り出して、ひとつずつラッピング袋を渡す。

形は崩れていない。へんな臭いにおいもしない。よかった。


「なあに、これ」

「ライスペーパーを使ったトルティーヤと、いろんなピンチョスです…」

「すごい!見た目可愛いー!」


写真を撮ってくれている。


「…いただきます」


真篠くんはぼそりとつぶやく。

リボンを解いて出てきた筒状のそれと串枝にまとまったピンチョスに3人してかぶりつく。

どきどきどき。


トルティーヤもピンチョスもそれぞれ3種類。

エビとアボカドと野菜。オリーブと大根とかぼすと生ハム。いちごとラズベリーとホイップ。

串に刺したほうは、胡椒が効いたサラミとトマト。ピクルスと唐辛子のサラミ。エビとオリーブとズッキーニ。


見た目は映え。味はどうだろう。まずいかな。きらいなもの聞かなかったけど大丈夫だったかな。



「おいしい!」


ちふちゃんがいち早く言ってくれた。


「本当!?」

「おいしい。よく作るの?」

「や、実は初めてで。料理もしないから焼いたり包んだりするだけのやつになっちゃった」


たぶんゆるるはお手伝いとかするんだろう。未熟なものを食べさせてごめんね。

ちらりと真篠くんを見る。無言でみるみる食べている。


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