悪いコの味方!
「これは、みゃーこたちが真似しなくてもいいことだよ。腹立つ気持ちはわかるしね。その代わりあたしはあたしなりにこれからもふたりと関わっていくから」
「……」
もしかするとわたしが知らない他の場所でも、こういうことって起きているのかもしれない。
知るのはこわい。
それでも…どうしていけばいいのか。何を一番大事にして、他のものに対してどう関わっていくか、ちゃんと考えていかなきゃいけない。
今すぐは難しいけど…いつか答えがほしい。
「ありがとうね。心配もしてくれたんでしょ」
「うう…ちふぅ……」
「よしよし。ましのんってば女泣かせだなあ」
本当だね。
やっとの思いで彼を見ると、困った顔を浮かべていた。きみはもうちょっと困るべきかもしれないね。
みんなが帰ってから靴を履き替えた。
いろいろ迷うことはあるけど…隣にいたい。
目障り、でも。
「藤田とおまえ、けっこう似てる」
「え!あんなに細いかな!?」
「ははっ。そうじゃないけどいいや」
真篠くんの笑い声が白く染まる。
空気が澄んでいた。
“ 淋しいとか悲しいとか甘えたいっていう貧しい思い ”
ちふちゃんはそう言ったけど、それはとても豊かな感情のひとつだと思う。
それは人それぞれ、別の思いで。
きみは今まで、いろんな人のそれを感じて、受け止めてきていたのかもしれない。
「真篠くん、前に自分はみんなにとって飾りものみたいだって言ってたでしょう」
「え……」
「改めて、本当にそんなことなかったんだって思ったよ」
わたしはみんなから、その存在を奪ったんだ。
自分のものにしちゃったんだ。
それはどれだけ奇跡みたいだったんだろう。