悪いコの味方!


それでもまあ…いいものだなあって思うんだよね。


「今日キーケースは買っちゃだめだよ」

「プレゼントそれなの?」


はっ…言ってしまった。クリスマスソングが流れていて装飾も赤と緑ばっかな街を歩いていたらついつい浮かれて言ってしまった。

真篠くんはおかしそうに笑ってる。


「まだお家の鍵くらいしか付けないと思うけど…大事にしてもらって、いつか車買ってわたしをドライブに連れてってもらうでしょう。わたしがひとり暮らししたら合い鍵を渡すでしょう。あと真篠くんがひとり暮らししたらそれも付けるだろうと思って4つ付くのにした」

「未来だね」

「未来だよー」


考えすぎかな。重い女子ってこういうこと?まあ、いいや。考えちゃったものは仕方ないもの。


それにしても真篠くんと買い物に来ると散財しちゃいそうになる。組み合わせて言ってくるから想像して可愛いと買いたくなる。

だけど今日は洋服はがまん。キーケース、けっこう奮発したんだ。やっぱりもっと高校生らしいものにすればよかったかな。高校生らしいってなんだろう。


いつもはないアクセサリーブースが新設されていた。クリスマス期間だけみたい。


「寄る?」

「寄る!」


個性豊かな作家さん手作りの一品ものが並んでいる。

デザインが同じでも形や色が微妙に違うの。手作りならではだよね。


「これ可愛い。この作家さんのアクセサリー大好きなの!しかも色違いがあります」

「おそろいにしたいの?」


憧れている。彼氏とのおそろい…。


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