悪いコの味方!
頷くと興味なさそうに「ふうん」とつぶやく。
わかっていたよ。今まで散々いろんな子の話聞いてきたもの。きみはおそろいとかしないって。
「あ、でもピアスしかないからあきらめる」
気に入っているものを手放すのってちょっと悲しい気持ちになる。イヤリングだったらなあ。
そう思っていると彼の指がわたしの髪を耳にかけた。
「な、なに…!?」
触るなら予告してほしい。手を繋ぐとかならまだしもこの行動は想定してないの。
「いや、ピアス開いてるのかと思ってたからびっくりして確かめた」
こっちがびっくりだよ。
真篠くんの指先、今はちょっと冷たかった。
「開けないの?」
「タイミングがなかったの」
そういう真篠くんも開けてないよね。
襟足から覗く、少し尖った耳を見て思う。
「こわいのか」
う。それもある。みゆたんやマキマキからは注射より痛くないって聞いたけどそんなのうそだと思う。
「真篠くんだって開いてないじゃん」
「おれはアクセサリーとか興味ないから」
確かに雑誌以外でネックレスとか指輪とか、付けてたことないかも。
「でも髪少し短くなったから耳も出るし、何かついててもきれいだと思うよ」
緩いマッシュルームヘア。雰囲気が少し柔らかくなったように見える。
「じゃあ一緒に開けてこれつける?気にってるんでしょ」
「え…おそろいで付けてくれるの?」
「断る理由ないよね」