悪いコの味方!


真篠くんは友達できたかなあ。ゆるるたちがいるから、あっちは安心か。


「あ、ましーの彼女の木暮彩夜架ちゃんの隣だー」


明るくてのんきな声とともに隣の席の椅子が動いた。見ると金に近い髪色をした派手な身なりの女の子。


「わ、鈴木 璃藍すずき りらんちゃんだ。あの!美容院どこに通ってますか!」

「へ?」

「色持ちがいいでしょ?いつも気になってて…」


今は金だけど、緑とか青とか、すごく綺麗に染まっていてそれでいて長期間保っているのがすごいってずっと思っていた子。チャンスすぎてテンションが上がってしまった。


「へへ。来週予約してるんだけど一緒に行く?」


真篠くんと付き合ってから、こんなふうに話しかけられたの初めて。


「行く…行きたい!」

「よーし。じゃ、連絡先教えてー」


久しぶりの感覚。うれしい。

でも、いいのかな。みゆたんとマキマキもいるのに。


「安心して?うち、ましーとは中学から同じだけどべつに好きになったことないからさ」


ぎゃ。直球!


「あ、あの、真篠くんは中学生の時どんな子だった?」


話を変えよう。


「えー遊び人。それしかないね」

「…だよねえ」


ぜんぜん変わらなかった。


「でもましーって変わったよね。しかも彼女とおそろいのピアスとか絶対しないやつだったし。てか穴開いてたっけ」

「あ、この前開けて。すずらんはいっぱい開いてるね」

「すずらん?」

「あ、ごめん。あだ名付けるの好きでつい!」


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