悪いコの味方!


勝手に呼んでしまった。馴れ馴れしかったかな…。

ちらりと見ると笑ってくれた。


「うちそんな可愛く呼ばれるの初めて!じゃ、さややね」


わたしはあだ名で呼ばれることがあまりないから新鮮。


「集会始まるって。体育館行こー」


よかった。友達になってくれる人がいて。あとで真篠くんにも報告しよう。クラス発表、すごく心配そうな顔してたもんね。


みゆたんとマキマキもそれぞれ仲良く話してる子がいるみたいで安心した。



放課後、真篠くんが教室に迎えに来るまでは本当に平和だった。


「帰ろ」


なんてことない顔で教室に入ってくる彼を見てクラス中が騒ぎ始める。本当に付き合ってるんだとか、泣き出す子もいて、付き合いたての頃みたい。


「あーあー、ましー」

「あれ、鈴木さん。こいつと同じクラスなの」

「そうそう。で、それよりね。堂々としすぎだからね。あんたたちふたりの間でどういう話になってるかはわからないしべつに勝手だけど、さややが有名だったのは元からだけどあんたのせいで悪目立ちしちゃってんだからちょっとは気遣いなよー」


べつにいい…とはとても言えない自分がいる。

迎えはいいのに。同じ教室じゃないのにわざわざ来なくてもって思ってしまう。



「でもどうせ見られるし、気にしてたらキリない」


一理ある。
でも。


「わたし、気にしないでいいとは思ってない…」


伝え方が悪かったのかもしれない。

もっとうまく言えてたら、今泣いてる子を泣かせなくてすんだかもしれない。


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