悪いコの味方!
好きな人のこと面倒だって言った…すずらんのそういうサバッとしているところ、けっこう好き。
「けーとくん大丈夫。みゆたんも話せばわかってくれると思うから…!」
他の人にはどう思われてもいいけど、こんな話、あんなにみゆたんを想っている廣野くんに迷惑がかかる。
教室に行くと、みゆたんが写真を一枚掴んで教室の前に立っていた。
「みゆたん!それ、違うの。ゆるると牡丹くんも一緒にいたし、みゆたんの誕生日プレゼントを見ていて…あ!誕生日おめでとう!こんなことになって…本当にごめんね」
もっとゆっくり話がしたい。
廣野くん、良い人だった。あんな人がみゆたんの彼氏でうれしい。
指輪はどうだった?
ねえ、みゆたん。
「……やっぱり」
そうつぶやいたみゆたんは、耳元からピアスを外した。
あの、わたしが託したピアスだった。
「これ、彩夜架からだったんだね。ネックレスと同じデザインだったからもしかしたらって思ってた」
「あ……」
みゆたんが窓からピアスを投げた。
その背中を呆然と見つめる。
「べつに、ひろのんと彩夜架がってうわさを鵜呑みにはしないよ」
…わかってもらえた?
「だって彩夜架、ましのんのことが大好きだもんね。心酔って感じ。恋愛しか見えてないっていうか、ましのんのことばっかりっていうか」
「え、そんなことな…」
「ましのんがいなかったら、ゆるちゃんやちふちゃんとも仲良くなってないでしょ。あのふたりはましのんにとって特別だから彩夜架のことも理解してくれるだけじゃない」
「…っ」
「ましのんがいないと何もできないもんね」
突きつけられる、わたしの変化。