悪いコの味方!


「おまけに人の彼氏とへらへら笑った写真……あたし、彩夜架からプレゼントなんていらないし」

「だけど、」

「これ書いた人に言いたい。友達なんて書かないでって」



浴びせられる言葉は、被害者ぶったり悲観したりするのは間違ってるってわかっているのに、もう立つのがやっとなくらい、とてもつらい。



「彩夜架はもう、友達なんかじゃない」



みゆたんはわたしのこと、よく見てる。解っている。


人が周りからいなくなって。

ゆるるやちふちゃんに感謝しつつ、真篠くんがいなかったらふたりは…って考えてる。寄りかかっている。そういうことに気付いてる。



「あたしはもう彩夜架に何されたってうれしくないから。もう放っておいて」

「……」

「ひろのんにも言っておく。彩夜架とはもう友達じゃないからって」


みゆたんは黒板を消し始めた。
友達、という文字を一番最初に消した。


泣いたらだめ。



「席つこう、さやや」

「…うん」


もう本当に、本当に修復できないことを悟る。

怒っているんじゃない。また傷つけたんだ。


言わせなくていいことまで言わせた。わたしが抗おうとしたからだ。

窓の外を見る。

当然だけどピアスは見えない。


…本当に良かったのかな。

憧れや自分の好意。
それだけが大切だったわけじゃないのに。


もっと、真篠くんと付き合う前にどうにかできたこともあるんじゃないか。

まだそんな、どうしようもないことを考えている。


こんな気持ち、真篠くんにもみゆたんたちにも悪い。


そうわかっているのに…わたしは真篠くんがいないと何もできないって言ったみゆたんの表情が、声が、脳裏に焼き付いている。

恥ずかしくてたまらないよ。


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