悪いコの味方!
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「そんなわけないじゃん」
“そういう顔”をされると辛気臭くて嫌だとぐちぐち言われてしまったから昨晩思ったことをちふちゃんに話すと、第一声がそれだった。
「ましのんの孤独を救う、なんてできてたらフラれてないし~」
「あ…」
「なに?」
いや、これきっと言っちゃだめだ。
そう思って首を振ると頬をぐにっと掴まれた。
「べつに何言っても彩夜架ちゃんのこと嫌ったりはしないから。怒るかもしれないけど。もうちょっと信用してよね」
だけど傷つけたくはないのに。言わないと離してくれなそうだ。けっこう痛い…。
「フラれたくないのかもって思って…」
「…はい?」
「わたしだけが真篠くんにできることをしたいの。そうすれば、ずっと一緒にいてくれるんじゃないかと思ってるのかも…」
言葉にすると、浅はかでしょうもないことくらい自分でもわかる。恥ずかしい。
ちふちゃんだって呆れ顔を浮かべてる。
「だから自分だけがましのんの孤独を救ってやるんだって思って、でもうまくいかなくて泣きそうなの?」
泣きそうなのかな。それすらわからなくなってる。
「あのさあ、彩夜架ちゃんって未経験うんぬんが問題なんじゃないね。勝手に意気込んで意気消沈してるだけじゃん」
でも真篠くんの特別になれば、この関係が変わることはないでしょう。
そう考えるのは、そんなにおかしなことなのかな。
「ましのんは自分を助けてくれるから彩夜架ちゃんを好きになったんじゃないと思うよ。もっと違うところで、彩夜架ちゃんに惹かれたんでしょう。そりゃ助けたいって思ってくれること自体はうれしいと思うけど、その気持ちだけに集中しちゃってましのんが好きになってくれた自分を消しちゃったら、それこそ関係終わっちゃうよ」