悪いコの味方!
うそでしょ泣くの?という表情を浮かべた彼女にティッシュを押し付けられる。
「真篠くんがいないと何もないって思っちゃってた」
「そんなことないでしょ。むしろあいつのせいで失くしてるって感じじゃん」
それこそそんなことはないんだけど、本当に恋愛ってどちらか片方に問題があるなんてことは何事にもないんだ。
「彩夜架ちゃんはましのんがいたからあたしと仲良くしてくれたの?」
「えっ。そんなことないよ。スタイルいいなあメイク上手だなあ堂々と雑誌に載ってる姿はかっこいいなあ…って思って、仲良くしたくて、よくはおりんに話してた」
「そうでしょう。それと同じだよ。まあ前からじゃなくて、たとえばゆるちゃんみたくましのんがきっかけだったとしても、その後関係を築いてるのは彩夜架ちゃんじゃん。ましのんがいたって彩夜架ちゃんがクソみたいな性格だったら話してないし」
クソって。ちふちゃんはわたしが考えていたことに対してけっこう根にもってるみたい。
「みゆちゃんたちだって、彩夜架ちゃんの好きだったところ、忘れたわけじゃないんじゃないかなあ」
一緒に過ごした楽しかった毎日。
漫画の貸し借りやおしゃれのこと。恋の話を聞くたび憧れをつぶやくわたしに「彩夜架なら絶対いい人と出会えるよ」って励ましてくれたこと。
裏切ったことは、確かだ。
だけど、わたしは良い人を見つけたよ。そう伝えられたらって望みを、口にしたりしないから望むくらいはゆるしてほしい。
「ありがとう、ちふちゃん。元気でた」
見失いそうだった。
どうしてきみと一緒にいたいのか。
わからなかった答えが、なんとなくだけど…見つかった気がする。