悪いコの味方!
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朝の支度は余裕を持ってしたいから家を出る1時間半前に起きる。
歯を磨いて、前髪にカーラーを巻いて、そのアトがつく間に朝ごはんと2度目の歯磨きと化粧を済ませる。
化粧はばっちりする。マツエクは細めのシルク素材を片目100本ずつ。学校の日はアイラインは引かないで、シャドウやリップは気分で色を考える。
今日はピンク色のまぶた。リップもピンク色にするって決めてる。チークはお気に入りの血色際立てカラー。
髪も日によって巻いたり、ストレートにしたり、アレンジしたり。今日は巻いて片編み込みハーフアップにした。…あ、爪伸びてきたなあ。来週の日程でネイルの予約しないと。
おしゃれが好き。美容が好き。だって少女まんがの主人公はなんだかんだで瞳が大きいし、テレビに出ている人は美しい。
わたしもそうであるためにバイトしてお金を稼いでるし、可愛い制服の校則緩めな高校に入った。
今日も自己満足は終了。まあまあ良い感じ。
家を出ると、友達のみゆたんが泣きながら立っていてびっくりした。
「う……彩夜架助けて……」
こんなことは初めてですぐさまハンカチを取り出して柔らかな頰を拭う。それからぎゅっと抱きしめた。
何が起きたの。朝からどうして泣いてるの。誰に悲しい思いにさせられたの。
訊ねたいことは飲み込んで背中をさする。理由はわからないけど、こっちまで悲しくて泣きそうになるよ。
学校には行けないね。そう思って、嗚咽がだんだんと小さくなっていくのを感じてから、近くの公園へ手を引いて歩いた。