悪いコの味方!
次の日真篠くんと秋晴れの中あの丘でピクニックデートをした。やってみたかったんだ。お弁当作りは仕込みからすごくがんばったよ。
角度や位置を何回も変えて写真をばしゃばしゃ撮るわたしを呆れ顔で見てくる。
「SNSしてないのにどうした」
「あ、はじめたんだ。日記みたいにするの」
「そういうマメなこと性に合わないと思ってた」
それはどういう意味なの。いいけどさ。
「だってみゆたんたち、映えスポットにたくさん行くんだもん。これはしないともったいないって思って!で、やってみたら加工とか文章考えるのとか楽しくて楽しくて趣味になりそう」
でも真篠くんをがっつり載せちゃうと危なそうだから匂わせることもなくピクニック画と丘から見える景色だけ。
だってこんなにがんばって作ったんだよ。ドリンクだって可愛いフルーツティーなの。映えたい。
「写真ばっか撮ってないでこっち来てよ」
寝転がりながらとなりを叩いて示してくる。いやいやいや、それは考えただけで近すぎる。そう訴えると「今更?」と笑う。
「今バカにしたでしょ…!」
「いい加減慣れなよって思って」
「しかたないでしょー!」
真篠くんが慣れすぎなんだ。きっとそう。わたしは変じゃないはず。
ふん、とわざとらしくそっぽを向いて、自作のおにぎりをかじる。
「は!映えを狙いすぎて、おにぎりとフルーツティーが似合わない!」
「ぶははっ」
笑いごとじゃない。サンドイッチにすればよかったけどあの野菜の水分か何かでぬちゃっとしちゃう冷たいパンが好きじゃないんだ。真篠くんもお米派だって言ってたから。だけどカツサンドはあるよ。これは別ジャンル。