悪いコの味方!


爽香さんがちょっと憎たらしい。彼のこと、一瞬で連れ去っちゃう。わたしには絶対できないこと。


きみが爽香さんと過ごせなかった過去の時間。

きみがなりたい将来の自分を作る未来の時間。


それを叶える場所に行くなんて、迷いもない目で言われたら、行かないでほしいし行ってほしいし、感情が追い付かないよ。



「え、待って。なんで泣きそうな顔してんの」


なんでわからないの?


「いやだって離れるの淋しいでしょふつう!真篠くんは淋しくないの?ぼっきゅんぼんな外国人が誘惑してくるかもしれないし…!」



どうせ行かないでなんて言えないから、ちょっとだけ。

淋しいんだよ。きみは気付いてない素振りだけど、わたしのなかで真篠くんはかなり大きな存在なんだ。


少しの距離でも不安だったのに、飛行機で何時間?次はいつ会えるようになるの?遠距離にもほどがあるでしょ。


「あーごめん、言い忘れてた。来月から2か月だけね」

「……61日」

「約それくらいかな」


薄々気付いてたんだけど、きみとわたし、大事だと思うことが違う。先にそれを言ってよ…!


「焦ったあ…。遠距離恋愛になるかと思った」


さすがに、わたしはどうやったらニューヨークに住めるんだろうってホームステイとか一瞬で考えちゃった。


「クリスマスは一緒にいれないけど…」

「あ、それは大丈夫。今年はマキマキの想い人も含めた友達たちとクリスマス会を計画したから…ふふっ、楽しみ~」


恋の進展第一。協力ならいくらでもしたい。

はおりんと、マキマキをキュートに仕上げよう計画を練ってるんだ。楽しみだなあ。


そう思っていたらじとーっとした目を向けられる。

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