悪いコの味方!
三芳さんかと思ったけど、そういえばわたしたちは連絡先を交換していない。仲良く話してたって見失っちゃった。
「もしもしゆいぼん、どうしたの?」
「ごめん、ちふの取り巻きが三芳さんのこと囲ってるの見かけて…」
「え!どこ?」
とりあえず見かけた場所を聞いて電話を切る。
「今ペンギンのほうで三芳さんを見たって…」
「誰といるって?」
「…えっと…ちふちゃんの取り巻きって言ってた」
そう言うと真篠くんは血相を変えた。
「またかよあいつら…。巻き込まれるからおまえは来んなよ」
そう言い残して事件のにおいがする方へ走っていってしまった。
急に除外された気分。巻き込まれるって何さ。女の子同士の問題に男の子が入ってくるほうがよっぽど悪影響だよ。それにきっときみが原因でしょう。
だからなのか、やっぱり三芳さんが特別なのか、あんな顔見たことない。
「ごめん、やっぱりわたしも気になるから行ってくるね。集合時間までには連れ戻してくるね」
他の班員にそう言って、わたしも焦ったあの背中を追いかけた。
その途中でちふちゃんに遭遇した。
あからさまに嫌な顔をされたけど可愛いコは得だね。ぜんぜん嫌じゃないむしろ萌える。
「ちふちゃん!今ちふちゃんと仲良しな子たちが三芳さんを取り囲んでるって…真篠くんがその場に向かったんだけど、あの人に任せないほうがいいよね?」
そう問いかけるとメランコリーなため息をついた。
「またかあ。…あたしは幼なじみなんてどうでもいいって言ってるのになあ」