悪いコの味方!


そんな可愛いコちゃんがキッと上目遣いでにらんでくる。にらまれてるのに可愛いって思っちゃうなんてどういうことなの。


わたしとの身長差も15センチほどある。少女まんがの主人公みたいに150センチぴったりの守りたくなる系の女の子なんだ。



「でもまさかエッチの途中で他の女からの電話に出るとは思わないでしょ!!」


「ええっ、みゆたん、もうそんなオトナな経験までしちゃったの!?」



頭を抱えたくなる。泣いて怒ってるんだから、いいなあ、なんて口が裂けても言えないけど、うらやましい気持ちしかないよ。


男の人のほうが体温が低いって本当?人肌って本当に安心するの?心臓破裂しそうになる?疲れるっていうけどなんで?そもそも恋ってなに?どうして触れ合ったりするの?



せっかく傷ついて泣いて朝からここへ来てくれたのに上手く励ますことができなくて申し訳なくなる。

でもよく考えたら相手はあの人だ。オトナの階段にすぐ手を引いてくる男。お付き合いするって聞いたとき、少し反対した。心配だったの。


「ねえ彩夜架、ましのんと仲良かったよね?」


そう言われて首を傾げる。仲良いつもりは全くないし、どちらかと言えば付き合っていたみゆたんや他の女の子たちの方が仲良しだと思う。


「いや、たまたま話すことがあれば話すだけでべつに仲良くは…」


「あたしの代わりに怒っておいて!こーんなに泣いてたよって!」


「なんだ、それならいいよ。言おうとしてたし。タイミングがあれば言っておくね」


「ありがとう~~~」



ぎゅうっと抱きしめられる。


こんなに可愛いコをないがしろにするなんて、あのおサルさんは何を考えて毎日生きてるんだろう。


それに100歩譲って女の子遊びが好きなら、もっと上手く立ち回ってほしいものだ。


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