悪いコの味方!


ちらりと見上げると彼は案の定、ちょっと悲しい顔を浮かべる。たまにするよね、そういう表情。


失敗したなあ。三芳さんがいなくなった時ものすごく心配していた優しさを思い出す。美亜子ちゃんたちにもちゃんと謝っていた。追い討ちは必要なかったのに、意地悪なこと言ってしまったかもしれない。



「まあ、わたしがとやかく言うことじゃないよね!ごめん!もう行こ!」



班の子たちと別行動したのが先生にバレたら悪くない人に面倒かけちゃうし。


何より気まずい。逃げるように背を向けて歩き出すと三芳さんが隣にきた。



「2度も助けてくれてありがとうね。慣れたって言ったけど…本当はけっこう嫌だった。木暮さんがさやのファンじゃなくてよかった」


「ファンじゃないけど、ファンだったとしてもわたしはあんなふうにしないよ。誰にも大事にしたい人くらいいるだろうし……これ綺麗事かな」


「ううん、ありがとう。今日撮ってた写真送ってくれる?」


「あ!じゃあ三芳さんの連絡先教えて!これからは何かあったら連絡して!」



チャンス到来。可愛い子の連絡先はとても知りたいのです。またこういうことがあったら心配だし。



「もう…ゆるるって呼んでくれないの?彩夜架」



上目遣いでそう尋ねてくるから目の前がちかちかした。


真篠くん、こんな可愛い幼なじみを恋人にしなくて本当にいいの?心配になっちゃう。他の女の子に構いすぎて見失ってない?



「呼ぶ!呼びますゆるる!」


「うれしー」



こっちのがうれしいよ。クラス替え最高、遠足最高。


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