悪いコの味方!
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…ちょっと待ってよ真篠くん。
昨日はトリートメントをしに美容院に行って、ネイルもアンティークネイルに変えて、ずっと欲しかったスニーカーも買ったから今日履いてきてすごくすごく気分が上がっていたのに。
目の前に光景に驚愕する。
みゆたんと真篠くんが、一緒に登校しているじゃないか…!
頭痛がしてきた。彼、わたしたちの友情を破滅させる気?自分があまり友達がいないからってその腹いせなんじゃないかと疑ってしまいたくなる。それか、あまりにも友情ってものを解っていなすぎる。
「みゆたん!」
真篠くんの腕に腕を絡めてステップを踏むように歩く可愛い後ろ姿に思わず呼びかける。一段と毛先がくるくると巻かれていて、振り向く拍子に空気に泳ぐ。わたしが選んでお気に入りって言ってくれた茶色の太いカチューシャをしている。とても可愛い。
「あ!彩夜架おはよう!」
「お、おはよう…真篠くんも」
「おー」
おー。じゃないし。意味わからない行動。怪奇現象?
「みゆたん、もしかしてまたお付き合いはじめたの?」
正直に言うと、どうしてみんな彼がいいのかさっぱりわからない。
そりゃ良いところも知ってるよ。でも基本的には悪いコじゃん。他人のこと、これっぽっちも大切にできない人。
「うーん。だって、やっぱりましのんの温もりが恋しくなっちゃうんだもん」
生々しいな。しかも、こんなに可愛い子がそう言ってくれてるのにさっきから無表情だし、この男、何様なの?もういやだ。
「そっか。でも、本当にいいの…?」
友達が傷つくところは見たくない。