悪いコの味方!



返却されたブルーレイを元ある位置に返していると、後ろから頭に衝撃が走った。



「イタッ」



え、なに。びっくりして振り向くと、ホラー映画のディスクを持った真篠くんが立っていた。



「え、え、なんでいるの?」


「牡丹から今日バイトだって聞いた。今日なんであいつとおまえが一緒にいたんだよ」



やっぱり目合ってたんだ。気づいたんだ。


それにしてもどうしてそんなに不機嫌がだだ漏れてるのか。そのディスクでわたしの頭叩いたでしょ。売り物なのに。やっぱり悪いコ。



「わたしのことはともかく、牡丹くんはお友達でしょう?あいつ呼ばわりはないんじゃないかなあ」



そう言うと不機嫌がさらに悪化。もう空気でわかる。


何かカノジョたちとあったのかな。面倒くさいなあ。



「おまえが牡丹と一緒とかうざい。手握られて赤くなってんなよ。外と中身が似合ってないんだよおまえは。あとおれの友達と許可なく仲良くなるな。好きになって後悔しても知らねえからな」



見た目で決めないでよ。仕方ないじゃん。だいたい後悔って何?牡丹くんには恋してないもん。なんでそんなふうに言うんだろう。



「いまどき俺サマキャラは流行らないよ?わたしも好きじゃない」


「べつにおまえに好かれたくねー」



な…なんでそんなことまで言われなくちゃならないの。べつに嫌いなんて言ってないのに被害妄想激しい。


それに、おまえおまえおまえって。名前知ってるくせに。

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