世界が終わるとき、きみを見つける

この子だ。

この子なら、フルートを吹ける。

経験者だ。

多分、この子に声をかけなかったら、私はもう勧誘できない。

「......ぁの」

だめだ。小さすぎる。気づかれない。気づいてもらえない。

もう一度、声を。声を出さなきゃ。

「あの......なにか楽器やってたの?」

話しかけられて驚いたのか、アーモンド型の目が大きく開かれた。

「楽器、ですか?」

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