世界が終わるとき、きみを見つける

「うん、楽器。」

我ながら、下手くそな返しだと思う。

会話って、どう続ければいいんだろう。

頭をフル回転させて会話の内容を考える。

「ピアノと、フルートを吹部で......」

彼の答えに、ほっと胸をなでおろす。

「良かった、カルメン幻想曲、弾いてたから。」

手元の「あんこ」を差し出す。

またもや脳をフル回転させて、言葉を紡ぐ。

「良かったら、これ、吹いてみない?」

口から出てきたのはそんな、シンプルすぎる文章。

......自覚してた、けど再確認した。

私、会話続けるの、壊滅的に下手だ。

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