世界が終わるとき、きみを見つける
「実里!吹くん巻き込まないの!第一、私ピッコロだし。フルート下手だし。」
「何言ってるんですか!?全国コンクール1位ですよ!?」
吹くんがぶんぶんと首を縦に振る。
「もーー、まぐれだって!たまたま!」
「先輩、いい加減認めてくださいよ!」
「やだ!ソロ吹かない!」
むーーとでも言い出しそうな顔をした実里は吹くんになにか耳打ちする。
くるっと私の方を向いた吹くん。
う、嫌な予感。
「僕、日音先輩にソロ吹いてほしいです......!」
そんな顔で見ないでほしい、可愛すぎて断れないから。
「もう、わかったよ!ソロ吹く!吹きます!」
実里と吹くんがニンマリと笑う。
吹くん、実里に似てきてる。