世界が終わるとき、きみを見つける
よろしい。という顔をして、実里先輩がうなずく。
「じゃあ、吹。日音先輩にお願いしてこよう。そしたら、先輩の演奏の録音送ってあげる」
いってこい!というように肩をたたかれ、くるっと日音先輩先輩のほうを向く。
ちょっとどころじゃなく恥ずかしい。
僕より背の小さい日音先輩。小動物みたいな先輩。いまだにコンクール一位とは思えないけど。
先輩のソロ、隣で聞きたい。
「僕、日音先輩のソロ、聞きたいです......!」
一瞬、日音先輩の動きが止まる。
「もう、わかったよ!ソロ吹く、吹きます!」
ふふっと、実里先輩と顔を見合わせて笑う。
僕、実里先輩に似てきたかもしれない。