世界が終わるとき、きみを見つける

自覚のきっかけ


「今日の合奏の先輩、さすがでしたね。私も惚れそうです」

「?何のこと?」

「ほら!吹君が入れなかったときにさりげなーく教えてたじゃないですか!」

「そ、そんなすごいことしてないし......」

「先輩はもっと自分のすごさを自覚したほうがいいと思います。ってことで!先輩のソロから行きますよ!」

「え⁉やだ!!」

全然普通にいじってきた実里に全力で首を横に振る。

にやにやしながらこっちを見る実里は本当に楽しそうだった。

吹君もこんな風に本気で楽しんでくれていたらいいんだけどな。

「先輩、吹君のこと考えてますね」

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