世界が終わるとき、きみを見つける

「ん、音程ばっちりです、さすが先輩ですね。」

「よかった!えっと、次は......」

ガラっと音がして楽器と譜面台を持った吹君が入ってきた。

譜面台の持ち方がとてつもなく器用だ、譜面が絶対に落ちないように持っている。

にしても、手、大きいな。うらやましい。

戻ってきた吹君は落ち着いた深緑をまとっていた。

「あ、吹君お帰かえりー、一緒に合わせる?」

「あ、合わせたいです......!」

前だったらえ「えっと、あの、えっと」とか言っていたのに、いつの間にはっきり言えるようになったんだ......

「ん、おっけー!次はね......」

「日音先輩、つぎ、先輩のソロですよ?」

実里、余計なことを言うな......
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