世界が終わるとき、きみを見つける

リッププレートを唇に当てて歌口に空気を送り込む。

......曲はカルメン幻想曲だ。

楽しい、すごく、楽しい

やっぱり、フルートが、吹奏楽が好きだ

一曲吹き終えて、先輩にフルートを返す。

「凄い!私なんかよりも遥かに上手!」

パチパチと先輩が手をたたくと、周りから拍手が聞こえてきた。

......ここが廊下だってこと、忘れてた。

最悪だ、目立たないようにしていたのに。

「ここだと人が通るので、どこか行きません......?」

先輩は満面の笑みで「そうしよう!」といった。
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