世界が終わるとき、きみを見つける

「し、信じられるわけないじゃないですか!だって日本一のフルーティストが目の前にいるんですよ!?」

「も~~、私はそこまでうまくないって!」

「でも!コンクール全国一位ですよ!」

「一位でもさ、それってたまたま私が審査員の方に好みの音色だっただけだもん!はい、この話はおしまい!」

少し強引に会話を終わらせる日音先輩。

「ね、そういえばさ、名前聞いたことなかったよね。教えてよ。」

「五十嵐吹(いがらし すい)です。」

「吹くん!!よし、吹くん。吹部に入ろう!」

強引......。でも引っ込み思案で帰宅部になってぼっちになるより、

全国一位の先輩にフルートを教えてもらうほうが充実した高校生活になるのかも。
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