天城兄弟、お見通し。
「……ふたりといたら悪目立ちする」
秘密しておくに越したことはない。
あずちゃんとこっぴを信用していないわけではないけれど、いつどこで話を聞かれてしまうかわからないから怖くて言い出せなかったんだ。
……それに。
「厄介ごとは避けたいの。だから、学校ではあんまり話しかけてほしくない」
「うん?」
「…あ、あと、こういう……すぐくっついてくるのもやめて」
腰に回ったナナくんの腕をやさしく解いて距離をとる。
ナナくんは知らないかもしれないけど……世の中の女の子ってこわいんだよ?
高校生になってまだ半年。
学校行事もこの先たくさんあるし、制服もかわいいし。憧れの高校生活を、平穏できらきらした青春にしたい。
だから、せめて学校では極力ふたりと距離をとろうと思っていて────…
「うーん、無理。ごめんね」
「…んむ、」
ナナくんの右手が伸びてきて、むに、とわたしの頬を潰した。
今、わたしの顔ぜったい間抜けだ。
なにこれナナくん、どういうおつもりですか。