天城兄弟、お見通し。
「心外だなぁ。僕が手早い人みたいに言わないでよ」
「実際そうだろ。うるはのことまだよく知りもしないくせにかわいいとか好きとか、軽すぎて響かねーよ」
「れんだって、そういうわりにはうるちゃんのこと気に入ってるじゃん」
「はあ? 意味わかんねえこと言うな」
「疎い男ってだるいよねえ」
「なんだそれ殺すぞ」
「もっもういいからふたりとも! ごはん冷める!」
このままじゃきりがない。放っておいたら殴り合いでも始まるんじゃないの、ちょっと。
声を張り上げ、お皿を持ってキッチンを抜ける。
チッと舌打ちをするどちらかの声が聞こえたけれど、それからすぐにふたりは出来上がった料理をテーブルに運んでくれていた。