一日限定カップル〜10年後〜
「にーさーん!!」

話をしていたら。

尚志の背中に突撃してきた女の子が。

私はビックリして目を丸くすると、尚志はイラツキながら後ろを振り返って

「空気読め」

「えー、何で?」

その女の子はパッチリとした大きな目で私を見て

「こんにちは」

と、笑った。

「こんにちは」

私もそう挨拶をした。

「突然消えるから探したよ〜」

ショートカットの、ボーイッシュなその子は尚志の袖を引っ張った。

「班長が探してたよ」

「…わかった」

尚志は彼女にそう応えると私に顔を向けて

「ちゃんと後はしておくから。
また、よろしくね」

そう言うと階段を上がって行った。
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